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若い力が日本料理の伝統を守る!博多・てら岡

どっとねっと紀行|2019年11月08日

真剣な表情で盛りつけをする山隈 敦司さんの写真

料理を盛り付ける真剣な表情の山隈 敦司さん

今回ご紹介するのは、日本料理「てら岡」中洲本店の料理長、山隈 敦司(やまくま あつし)さん。
生まれも育ちも職場までも福岡一筋の山隈さんがお正月には欠かせない、
「てら岡」の豪華なおせち料理についてじっくり語ってくださいました。

「おせち料理については、極力お店で出しているものをおせちに入れたいという気持ちが強いです」

ーー今日は「てら岡」の料理長、山隈さんにお話をお伺いいたします。どうぞよろしくお願いします。

山隈 うまくお話できるかわかりませんが、よろしくお願いします(笑)。

ーーでは早速ですが、おせち料理の準備も迫ってきているんじゃないですか?

山隈 そうですね。うちの場合は11月から準備がはじまります。

ーーおせち料理って、乱暴に言っちゃうと、どれもあまり変わりがないように思ってしまいますが。

山隈 やはり外せないものはありますよね。縁起物ですから。黒豆、栗きんとん、紅白かまぼこ、数の子などはどんなおせち料理にも入っていると思いますが、うちのおせち料理は、それ以外の部分でも、「てら岡」ならではのお料理を加えております。

ーーおせち料理が3種類あって、どれも宅配可能なんですよね。まずは雅を見ていきましょう。

ーーこの知鳥鶏というのはなんと読むのでしょうか?

山隈 実はこれはうちが作った造語でして(笑)。

ーーあ、そうなんですね。読めないなぁ。

山隈 知鳥鶏と書いて、「しっとうと」と読みます。

ーーなるほど(笑)。

山隈 博多弁で「知ってますか?」という意味です。お料理自体は、鶏の皮の唐揚げ、冷製唐揚げですね。鶏の皮を二度揚げにしております。揚げれば揚げるほど、乾いたスポンジ状態になり、美味しい甘辛のタレをギュッと吸ってくれます。

ーーいいですねぇ。続いては豚のころ煮。

山隈 わかりやすくいうと豚の角煮ですね。蒸してから炊いているので赤身まで柔らかいのですが、それを小さくサイコロ状にしたものです。実は豚の角煮というのは、まわりのお肉をトリミングしてお客様にお出しするので、かなりロスが出てしまうんです。そこで我々は最初からサイコロ状に小さく切ってみることにしました。

ーーそうすると、端っこのお肉まで使えるというわけですね。

山隈 そういうことです。もともと、ロスをなくすために小さくしたわけです。

ーーでも、かえって食べやすくってよさそうですよね。

山隈 そうなんです! 我々も「むしろこっちのほうが食べやすくなっていいよね」という話になりました(笑)。

ーー味が染みて美味しそうです。

山隈 おせちは温めることを前提としていません。冷えても美味しいお料理をご用意しなければならないのですが、豚のころ煮も、冷えても味が染みていてとても美味しいです。

ーー小海老みつ煮はいかがですか?

山隈 これは非常にシンプルで、小海老を一度唐揚げにして、砂糖蜜で甘く炊いてます。普通は小海老を唐揚げにしたらお塩をふるくらいですよね。

ーー確かに居酒屋などでいただく小海老の唐揚げってそうですよね。

山隈 でも、それをおせちに入れてしまうと、見た目も味も落ちてしまいますので、このようにしております。

ーーなるほど。この雅でも十分だとは思いますが、続いて鶴について教えてください。

山隈 こちらのポイントは、ふぐ皮明太ですね。これはうちのオリジナルで、ふぐの皮は通常、ポン酢でいただきますよね。

ーー大好きです!

山隈 うちもお店ではそのようにしてお出ししてもいますが、明太子の代わりにふぐの皮を漬け込んだらどうなるかというのが始まりだったのですね。で、ふぐの皮に明太の味を染み込ませて、なおかつ食感がほしいよねということで、明太子をほぐしたばら子をふぐ皮明太に混ぜてみたというわけです。お店でも小鉢でお出ししています。

ーー手が込んでますねぇ。

山隈 ふぐの皮はゼラチンですので、おせちに冷めた状態で入っているものを、お茶漬けにして食べていただくと、ゼラチンが溶けて美味しいんです。

ーーその食べ方、いい!

山隈 従業員にも大人気です。買って帰るスタッフも多いんですよ。

ーースタッフが好きっていうのは絶対に美味しいやつですよね。最後に寿です。

山隈 うちのおせちの中では最上級のグレードになります。おせちで使っているお料理はほぼすべて入っていますが、そのなかで、ぶり真子旨煮というのがあります。これはぶりの卵を味付けしたものなのですが、魚の卵はただ煮汁で炊いただけだと、冷めた時にパサパサしちゃうんですね。

ーーそうですね。

山隈 お店では熱々のものをお出しできるのでパサパサ感はないのですが、冷えたものだとパサパサしてしまいます。非常に味気ない、残念な料理になってしまいます。なのでうちでは、煮汁にとろみをつけて、冷えたものでもパサパサせず召し上がっていただくことができます。

ーー一工夫があるのですね。

山隈 そうです。あと、しめ鰆真昆布巻きという料理があるのですが、これは鰆を酢でしめたものを昆布でぐるっと巻き込んでいるものです。昆布自体を銅鍋で炊くことにより、化学反応が起こって、一切着色せずにきれいな緑色が出るんですね。

ーーおせち料理には見た目も大切ですもんね。

山隈 おせち料理については、極力お店で出しているものをおせちに入れたいという気持ちが強いです。おせちは冷凍でお届けします。冷凍でお届けすることによって、おせち料理の煮崩れの心配がなくきれいな状態でお届けすることができます。又おせち料理は、盛り込直後から、急速冷凍庫で凍結させますので、解凍後も、チルドおせちと同様に、味・品質・色目等遜色なくお召し上がりいただけます。

ーー続いてお鍋のこともお伺いしていいですか? 季節的にもそろそろですよね。

山隈 「てら岡」では、もつ鍋がよく出ますね。

ーー福岡でもつ鍋なんて最高!

山隈 お店には、水炊きともつ鍋の2つをご用意しております。私は個人的には水炊きが好きなのですが(笑)。

ーーあ、そうなんですね(笑)。

山隈 でもお店でご注文を受けるのは、もつ鍋のほうが多いですね。

ーー「てら岡」さんのもつ鍋のポイントは?

山隈 2つあります。一つはもつ肉そのものです。通常もつ肉というと牛の内蔵を指しますよね。腸があったり、胃袋があったり、心臓があったり。うちの場合は小腸だけを使っています。

ーーあ、そうなんですね。

山隈 小腸は一番脂身の多いところですよね。その小腸のなかでも、いい部分だけを取り出し、贅沢に使っています。

ーーいいですねぇ。

山隈 そして2つ目はスープです。醤油のシンプルな和出汁を使っているので、脂身の多い小腸をギトギトせず、でもコクがあるお鍋として楽しんでいただくことができます。

ーー寒くなるとお鍋を食べたくなりますよね。

日本料理 てら岡のおせち料理はこちらでご購入いただけます

  • 2020年 日本料理てら岡 おせち料理 博多雅三段重

  • 2020年 日本料理てら岡 おせち料理 博多鶴与段重

  • 2020年 日本料理てら岡 おせち料理 博多寿与段重

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  • 2020年 日本料理てら岡 おせち料理 博多雅三段重と博多水炊きセット

「下積み時代、悔しい気持ちはありましたけど、やめようと思ったことは一度もないです」

薩摩紅茶かるかんの写真

ーーここからは山隈さん自身のことをお伺いしていきたいと思います。山隈さんはおいくつですか?

山隈 43になります。

ーーもともと山隈さんは、福岡のかたなんですか?

山隈 そうです。生まれも育ちも福岡です。

ーー学生の頃から料理の道に憧れていたのですか?

山隈 大学生の頃に居酒屋さんでアルバイトをしておりまして、それから飲食に興味を持ちました。その居酒屋さんでは、簡単な調理をさせて頂いていました。そのうち本格的に料理の仕事をしたいと思うようになり、新卒でこの「てら岡」に入りました。

ーーあ、それからずっと「てら岡」さんにおられるんですね。

山隈 最初に面接を受けたお店がここです。

ーーご縁なんでしょうねぇ。

山隈 今でも色々学ぶことが多くて、そういう意味ではあっていたのだと思います。

ーーインタビュー用の発言ではなく?(笑)。

山隈 いえいえ、本心でそう思っております(笑)。

ーーいやー、でも山隈さんには「てら岡」さんがあっておられるのだと思います。「てら岡」さんに入られて、もう……。

山隈 20年を超えましたね。

ーー下積み時代は大変でしたか?

山隈 やはり厳しかったです。

ーー辛くてやめようと思ったことはありますか?

山隈 それが一度もないです。もちろん悔しい気持ちになったことは何度もありましたが、悲しいとかやめようとか思ったことはないですね。やはり、先輩や師匠に早く追いつきたいという気持ちが強かったですね。

ーーなるほど。料理人さんには色んな立場やポジションがあると思うのですが、「てら岡」さんはどのようになってますか?

薩摩紅茶かるかんの写真

山隈 ポジションがわかれてるんですよね。一番最初は雑用や洗い物から始まり、盛りつけ場、焼き場、揚げ場、それからお刺身を作る向板があり、お店の味をつける煮方があります。この煮方はお店の味を作る特に重要なポジションですから経験のある人が担当する場合が多いです。

ーーなるほど。

山隈 そしてその上に料理長というポジションがあります。だいたいそういう段階を踏んで、責任のある立場に上がっていきます。

ーー料理長は一人ですか?

山隈 一人です。

ーー会社で言えば部長みたいなものですかね。全体のマネジメントを担当して、あまり手を動かさないみたいな。

山隈 いえ、うちの場合はみんな手を動かします。私の場合は、その日その日の忙しそうなポジションをフォローします。

ーーやはり予約状況で忙しそうなポジションがわかるのですか?

山隈 そうです。うちの場合は8割方、予約のお客様でして、先々までの大体の状況までわかります。

ーー「この日は揚げ物が多そうだな、この日はお刺身が多そうだな」っていうのを見越した上で人員を配置するわけですね。

山隈 そういうことです。

ーーちなみに山隈さんはどこのポジションがお好きですか?

山隈 私は刺し身を作るポジションが好きでしたね。

ーーどういうところが面白いですか?

山隈 どうなんでしょう、もともと料理人というのは魚を捌いているイメージが強かったので、特に料理を作っている実感が湧くと言いますか。

「古くから、日本料理の職人は10年以上修行して一人前…などと言われてきました。しかし、それは間違いだと、「てら岡」は断言できます」

薩摩紅茶かるかんの写真

ーー「てら岡」さんの面白いところは、若手を積極的に登用するんですよね。「古くから、日本料理の職人は10年以上修行して一人前…などと言われてきました。しかし、それは間違いだと、「てら岡」は断言できます」とホームページにも書かれています。

山隈 私はいま、43ですが、ほかはみんな20代ですからね。

ーーあ、そうなんですか!?

山隈 私の次に副料理長的な調理師がいて、彼はこの店のナンバー2ですが、いま26才です。

ーー若い! そもそも山隈さんも43で料理長なんだからお若いですもんね。料理長っておじいちゃんみたいな人のイメージがありますもん。

山隈 一般にはそうかもしれませんね。

ーーなんでそんなに積極的に若手を登用するんですか?

山隈 やっぱり若手を育てたいという気持ちですね。料理人を育てるのがひとつの使命だというオーナーの考え方が第一にあります。経験は少なくても、うちで経験して育てた人間で固めたいという気持ちが強いです。

ーー料理人は、入ったら何年も大根の皮をむいているもんだと思っていました(笑)。

山隈 うちではそれは当てはまらないですね。10年下積みを経験しても魚を捌くのが苦手な人はいますし、逆に1年目の子でも、たくさん魚を捌かせればちゃんと上達します。

ーー日本料理のお店でそうした姿勢を貫いておられるのってかなり珍しいですよね。

山隈 やっぱり時代とともに、調理する環境もお客様も変わっていきますし、食の文化も変化していくので、「守・破・離」が大事だと思います。料理をする上での大事な基礎はしっかりと守り、時代に合わせた料理に変化させ、新しい料理を生み出す。

ーー確かに。

薩摩紅茶かるかんの写真

山隈 伝統を重んじるだけでは衰退してしまうと思いますので、そこは新しいエッセンスを加えながら、アイディアを若い調理師からも吸い上げて料理に生かしていくことが大事だと思います。

ーーでは最後に「てら岡」さんの魅力について教えていただけますか?

山隈 博多の味をしっかりお客様にお伝えする使命感を持っているお店と言ったらいいでしょうか。

ーー博多は美味しいものが食べられる街という期待感が高いですもんね。今日は貴重なお話をありがとうございました。

山隈 ありがとうございました。

日本料理 てら岡
【TEL】0120-545-868
【住所】福岡県福岡市博多区中洲5-2-6
【営業時間】平日:17:30 - 21:00(LO) 土・日・祝日:11:30 - 14:00(LO)、17:00 - 21:00(LO)
【定休日】2019年12月24日(火)、29日(日)〜31日(火)

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